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海と毒薬 【BTAB 6th -2】
JUGEMテーマ:読書

< 前回(海と毒薬 【BTAB 6th -1】)を読む


最初から暗い話を志向すると、どこまでも暗くなる

Zhi-Ze: うん。そうか、この話って「罪と罰」の罪の話で終わってるのか。第二部に罰の話が来るのかな?

ちゅうた: 第二章が「裁かれる人々」なんだけど、特に裁かれてないよな。しかも、この手記が何に使われた者なのかよくわからないような

Zhi-Ze: そう言われるとそうだな。構成としては、作中での現代から、過去を振り返ってるわけだから、第2部が書かれたなら、第1部の罪の告白を受けて、罰の話があったんだと思うな。

ちゅうた: うん。

Zhi-Ze: 話はちょっと変わるんだけど。 以前、保坂和志『書きあぐねている人のための小説入門』という本に「小説というのは、書いてるうちに暗い方に嫌でも引っ張られる。だから、暗い話は書かないようにする〜」みたいなことが書いてあったんだけど。最初から暗い話を志向すると、どこまでも暗くなるんだなと『海と毒薬』を読んで思った。

ちゅうた: うん。ギャグマンガもなんか小説版て暗い感じするな。ぶっちゃけ具体で聞かれると答えられないけど。

Zhi-Ze: いろんな作家が競作した『こち亀』小説版があったけど、あれも何だかトーンが暗いんだよね。『こち亀』ですら、暗くなる!

ちゅうた: はなっから明るいトーンなんて何一つ無いと、ひたすらに気が滅入るほどに暗くなる。と言う話なのか? でも、思い返せば思い返すほど、すべてのエピソードがひたすら同じベクトルを向いてる。



戦中の話っていうのは、悲劇的な話にせざる得ない

Zhi-Ze: 戦時中のことを描いた作品っていうのは、やっぱり明るくはなりにくいよね。所謂、自虐史観っていうのもあるのかも知れないけど、やっぱり、事実として辛い時代だったんだろうからね。

ちゅうた: うん。

Zhi-Ze: 『火垂るの墓』とかも俺は苦手なんだよな。

ちゅうた: 暗いな。この話は割と明るい。でも後半は死者も出るし原爆もあるから暗いシーンも多い。

Zhi-Ze: 結局、戦中の話っていうのは、悲劇的な話にせざる得ないってのもあるんじゃない? だって「戦中に大儲けしました! 俺ってハッピー!」みたいな話書いても、誰も共感しないだろ?

ちゅうた: うん。

Zhi-Ze: 強いて言えばさ、ちゅうたもブログで紹介してた水木しげる『総員玉砕せよ!』は、その日々を淡々と書いてて、あまり暗さは感じないんだよね。悲劇って感じではないかな。

ちゅうた: 水木先生の成せる技です。


生々しさが心に突き刺さる

Zhi-Ze: で、『海と毒薬』に戻るけど。

ちゅうた: うん。

Zhi-Ze: ちゅうたとしては、この作品をどう評価してるの?

ちゅうた: んー、流される人々の姿が凄く嫌になるくらいリアルに突きつけられるでしょ。その、生々しさが心に突き刺さるというか。痛い。

Zhi-Ze: 確かに、痛い。今日の話で、2部があるはずだったと聞いて得心したんだけど、俺は、途中で終わってる話っていう印象が一番強いね。読んでて痛いんだけど、そこで終わられるのは。。。もう少し、先を読みたい!って感じかな。

ちゅうた: 裁かれてないからだよね。

Zhi-Ze: うん。

ちゅうた: でも、これはこれで良いような気もする。冒頭の街のオッサン達も、裁かれてない。

Zhi-Ze: まあ、そうだな。

ちゅうた: 裁かれたかもしれないけど、そこは言及が無い。

Zhi-Ze: 全部語られてないから、良いってこと?

ちゅうた: ピースがばらまかれて終わってる感はあるんだよ。確かに、書いた本人も二部構成にしようと思ってたらしいから、中途半端なんだろうけど。描かれない事が名作になっている要因の気もする。

Zhi-Ze: 結果オーライか。

ちゅうた: 読後の居心地の悪さや後ろめたさは、続きが無いからこその気がする。

Zhi-Ze: うーん、やっぱり難しい作品だな。

> 次回に続く

author:747576, category:BTAB(チャットで討論), 17:22
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Comment
ご無沙汰です。
仕事中に拝見してます。

海と毒薬。
良い小説ですね。

で、第二部の話は私は知らなかったです。
ただ、忠太先生の仰るように「悲しみの歌」。あれが二部といっても良いのではないでしょうか?

遠藤周作の著作に「イエスの生涯」と「キリストの誕生」ってのがあるんだけど、あれのテーマは「弱い人間」なんです。弱い人間が、自分の弱さを痛感して、許すというか、受け入れるっていうのかな、そういう人間の葛藤とか成長ってのが、本作にも描かれているんではないでしょうか?
もちろん、作者の年齢的には、まだまだ若い時代だから、そこまで強固にできあがった考えではないでしょうが。。。

なんというか、うまく言えないけど。「海と毒薬」では、人間の弱さを描き、「悲しみの歌」で許す、受け入れる事を知る。
遠藤周作は、決して罰を与えるような人ではない気がするのです。彼の著作からの印象ですが。
だから、本作は罪と罰ではなく、罪と許し、だと、私は思ってます。

以上、駄文・長文失礼しました。
McStay, 2009/11/30 6:40 PM









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